非上場株式の売却先として、買取業者を選ぶケースもあります。ただし、相手によっては不当な条件を提示されたり、支払いトラブルに発展したりするリスクもあるため注意が必要です。本記事では、買取業者に相談する前に押さえておきたいポイントや、相談を避けるべきケースを解説します。
非上場株式の買取をうたう業者の中には、信頼できる企業もあれば、法令を逸脱した取引を持ちかける悪質なケースも見受けられます。安心して取引を進めるためには、事前に仕組みやリスクを正しく理解しておくことが不可欠です。ここでは、買取業者に相談する前に確認しておきたい基本的なポイントを整理します。
非上場株式の買取業者は、相談料や仲介手数料を取らず、買値と売値の差額で利益を得る仕組みを採用しています。そのため、買取額が株価算定額よりやや低くなるのは自然なことです。ただし、算定を行わず極端に安い価格を提示する業者には注意が必要です。市場価格が存在しない非上場株式では、条件設定が買い手側に偏りやすく、トラブルに発展するおそれがあります。
株式売却の「交渉」や「買取請求の代理」を弁護士以外が行うことは、弁護士法違反(非弁行為)にあたります。
一部の株式買取業者は、無登録での営業や詐欺的な手法、非弁行為(弁護士でない者が弁護士の業務を行うこと)など違法性が問題視されており、大阪高等裁判所2024年7月12日判決では株式買取業者の行為が非弁行為にあたると判断された判例もあります。
すべての買取業者が信頼できるわけではなく、中には法令違反や不当な条件提示を行う事業者も存在します。契約を急かされたり、根拠のない査定額を提示されたりする場合は要注意です。ここでは、相談や取引の際に特に注意すべき業者の特徴を紹介します。
非上場株式は市場で取引されないため、買い手探しが難しく、価格の基準も曖昧になりがちです。こうした状況に乗じて、「早く現金化したい」「相続税の支払いに間に合わせたい」といった株主の焦りを利用し、実際の算定額より著しく低い価格を提示する悪質な業者も見受けられます。
査定当日に「今日中に決めてくれたらこの価格で買う」「相場が下がる前に今すぐ契約を」などと急かされた場合は、契約を保留し、まず適正価格を確認することが重要です。
契約書に「他社で売却した場合は成功報酬を支払う」といった条項がある場合、実際には自社で買取資金を持たない仲介業者である可能性があります。名目上は買取をうたっていても、実態は仲介に過ぎず、買い手が見つからない限り支払いが行われないケースも見られます。
さらに、「解約時に違約金が発生する」「買い手が見つかった際には仲介手数料を請求する」といった条件が記載されている場合も要注意です。買取資金の有無や契約条項の妥当性を事前に確認し、不明点があれば契約前に専門家へ相談することをおすすめします。
契約内容の不備や不当条項を隠す目的で、「弁護士への相談を禁止する」「契約内容を第三者に開示してはならない」といった条項を盛り込む業者も見受けられます。少しでも不安を感じる内容があれば、契約前の段階で弁護士に確認を依頼すると良いでしょう。
契約書に支払い期日や方法が記載されていない場合、当初から支払い能力や意思を欠く業者である可能性があります。たとえ明記されていても、「分割払い」「後払い」といった条件で支払いを先延ばしにし、最終的に連絡が取れなくなる事例も報告されています。契約前に支払時期・方法・遅延時の取り決めを必ず確認し、少しでも疑問があれば契約を見送る判断が賢明です。
株式の売却価格をめぐって会社側と対立している場合、買取業者に相談しても問題の根本的な解決にはつながりません。買取業者の役割はあくまで「買い取ること」であり、紛争解決を担う立場ではないためです。このようなケースでは、弁護士に相談して法的観点から助言を受けるのが適切です。
買取業者は株式を購入する立場にあたるため、通常は相談料や仲介手数料が発生しません。ただし、「査定依頼」を無料とする場合でも、一定の条件が設けられているケースが多く見られます。提示条件を確認せずに依頼すると、思わぬ費用が発生するおそれがあるため注意が必要です。
非上場株式の売却において、買取業者への相談はあくまで選択肢の一つです。不当に安い価格での買取や代金未払いなどのトラブルを避けるためには、契約内容を十分に確認し、慎重に手続きを進めることが欠かせません。すでにトラブルを抱えている場合には、買取業者ではなく弁護士に相談するのが適切です。
株主の立場や目的によって、最適な相談先は異なります。状況に応じて、コンサルタントやM&A仲介会社など、専門領域の異なる支援先を比較検討しておくと安心でしょう。
以下のページでは、非上場株式売却の状況・悩み別に相談できる事務所や会社を紹介しています。相談先選びの材料としてご活用ください。
非上場株式の取引は、上場株と違い法的手続きや税務対応が複雑なため、専門家への相談が不可欠です。
ここでは、弁護士・税理士・M&A仲介会社の中から、目的別に信頼できる3つの相談先を厳選してご紹介します。
一部の株式買取業者は、無登録での営業や詐欺的な手法、非弁行為(弁護士でない者が弁護士の業務を行うこと)など違法性が問題視されており、大阪高等裁判所2024年7月12日判決では株式買取業者の行為が非弁行為にあたると判断された判例もあります。また、高額買取をうたって実際は買い叩くケースもあるため、一定のリスクがあることを理解したうえで相談することが重要です。
株式買取に詳しく、M&Aやファイナンス理論の知見があることが重要です。対応実績と交渉力を事前に確認しましょう。
資産税・自社株評価に強い税理士法人か確認。M&Aや法務に対応できる他士業と連携しているかどうかも大切です。
業種や規模に合った買い手ネットワークを持っているかを見極めましょう。成約するまでのスピードもポイントです。