非上場株式を「売りたいのに売れない」「買い手が見つからない」と感じている方へ。この記事では、非上場株式が流通しにくい背景や売却が難航する主な理由、そして現実的な打開策までを整理して解説します。相続や経営トラブルなどで株を手放せず悩む方が、適切な行動を取るための第一歩となる内容です。
非上場株式が簡単に売却できないのは、会社の承認がなければ株を自由に譲渡できないからです。多くの非上場企業では、株式を譲渡する際に取締役会や株主総会の承認を要する「譲渡制限」を定款で定めています。買い手が見つかっても、会社の許可が下りなければ取引は成立しません。
この仕組みは、経営方針に反する人や競合関係にある企業など、会社に不利益をもたらすおそれのある人物が株主になるのを防ぐために設けられています。非上場企業では経営者や既存株主との関係性が密接で、外部の人間が加わると意思決定が乱れるリスクが高まるという事情があります。
会社に譲渡の承認を求めたにもかかわらず拒否された場合は、会社または会社が指定する第三者(指定買取人)が株式を買い取る義務を負います。これは会社法で定められた手続きであり、株主が一方的に不利な立場に置かれないよう保護する仕組みです。
まずは会社に対して、「誰が」「いつまでに」「どの価格で」買い取るのかの提示を求めましょう。これらの条件は株主総会の特別決議で定められ、決議後には会社から正式な通知が届きます。
通知がない、または提示内容が不明確な場合は、弁護士に相談して対応を確認することが重要。手続きが適正に行われていない場合、価格交渉や裁判所への申立てを通じて適正な価格を求めることも可能です。
会社が買取を約束しても価格で折り合えない、あるいは買取自体に応じない場合は、裁判所に株式価格決定の申し立てを行うことができます。これは会社法で定められた制度で、会社との交渉が行き詰まった際に、公正な価格を第三者機関である裁判所が決定する仕組みです。
申立ては会社の本店所在地を管轄する地方裁判所で行い、通知を受けてから20日以内に手続きを取らなければなりません。法的な期限や書類の形式も厳密に定められているため、早い段階で弁護士に相談することが重要です。
会社との話し合いや社内での手続きによっても解決できない場合、株主は最終的に裁判所を通じて株式の買取を求めることができます。これは、会社が正当な理由なく譲渡を拒み続けたり、著しく不当な価格を提示したりするケースに備えた法的救済手段です。ここでは、その申立ての流れとポイントを整理します。
会社から買取通知を受け取った後、提示された価格に納得できない場合に利用できる制度です。裁判所が必要に応じて鑑定人を指名し、会社の財産状況や収益力など客観的な資料をもとに、公正な株式価格を算定します。会社側の一方的な評価に左右されず、第三者機関の判断によって適正な価格を求められる点が大きな特徴といえます。
会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に、買取通知を受けてから20日以内に申し立てを行う必要があります。期限を過ぎると、法律で定められた方式(原則として1株あたりの純資産額)で価格が自動的に決定されることになり、結果的に会社側に有利な金額で確定してしまうケースが多く見られます。適正な価格を確保するためにも、早期の弁護士相談と迅速な対応が不可欠です。
非上場株式の売却が難しい主な理由は、会社の承認を必要とする「譲渡制限」が設けられていることにあります。会社が譲渡を承認せず、さらに株式の価格をめぐって対立した場合には、裁判所に「価格決定の申し立て」を行うことが可能です。
ただし、この手続きには会社法や判例に関する専門的な知識が求められるため、弁護士に相談しながら進めるのが確実。申立書の作成や必要資料の整理を専門家が支援することで、より合理的で説得力のある価格主張がしやすくなります。
以下のページでは、非上場株式売却における状況・悩み別に相談できる事務所や会社を紹介しています。相談先選びの材料としてご活用ください。
非上場株式の取引は、上場株と違い法的手続きや税務対応が複雑なため、専門家への相談が不可欠です。
ここでは、弁護士・税理士・M&A仲介会社の中から、目的別に信頼できる3つの相談先を厳選してご紹介します。
一部の株式買取業者は、無登録での営業や詐欺的な手法、非弁行為(弁護士でない者が弁護士の業務を行うこと)など違法性が問題視されており、大阪高等裁判所2024年7月12日判決では株式買取業者の行為が非弁行為にあたると判断された判例もあります。また、高額買取をうたって実際は買い叩くケースもあるため、一定のリスクがあることを理解したうえで相談することが重要です。
株式買取に詳しく、M&Aやファイナンス理論の知見があることが重要です。対応実績と交渉力を事前に確認しましょう。
資産税・自社株評価に強い税理士法人か確認。M&Aや法務に対応できる他士業と連携しているかどうかも大切です。
業種や規模に合った買い手ネットワークを持っているかを見極めましょう。成約するまでのスピードもポイントです。