非上場株式の売却は、税務・評価・契約など複数の専門領域が関わるため、個人だけで進めるのはリスクが高い手続きです。この記事では、公認会計士や税理士に相談することで得られる主なメリット、適した相談ケースと注意すべきケースを具体的に解説します。
非上場株式の売却では、税務や会計の知識が欠かせません。特に、譲渡価格の妥当性や課税額の算定には専門的な判断が求められます。誤った対応をすると、想定外の税負担や契約トラブルにつながるおそれもあります。
こうしたリスクを避け、適正な価格で円滑に手続きを進めるために頼れるのが、公認会計士や税理士です。ここでは、相談することで得られる主なメリットを紹介します。
非上場株式の売却では、取得費や譲渡費用の整理、売却時期の判断、損益通算の可否といった要素が最終的な手取り額を左右します。税務申告まで一貫して対応できる税理士(または税理士登録済みの公認会計士)に相談すれば、複数の条件を踏まえた上で適切な節税シミュレーションを受けられます。
また、税区分や復興特別所得税などの制度には専門的な知識が求められるため、自己判断で進めると申告漏れや過少申告のリスクが生じかねません。専門家の助言を受けながら進めることで、正確かつ安全に節税効果を得ることができるでしょう。
公認会計士や税理士による調査は、倫理規程と品質管理基準に基づいて実施されるため、結果の信頼性が極めて高いのが特徴です。数値の裏付けや証憑確認まで精査されるため、第三者にも説明可能な水準で報告がまとめられます。
こうした調査報告書は、買い手企業の社内承認や金融機関の審査資料としても活用されるケースが多く、取引の進行スピードや合意形成の確度を高める効果があります。
非上場株式の売却では、譲渡先や取得主体によって「譲渡所得」と「配当」の扱いが分かれることがあり、支払調書の作成や源泉徴収、申告の要否などで誤りが生じやすい領域です。契約書の表現や計算式のわずかな違いが、税務処理の誤りにつながることもあります。
税理士や公認会計士に確認を依頼すれば、税務の観点から契約条項や金額計算を精査してもらえるため、引き渡し後に修正申告や追徴課税が発生するリスクを最小限に抑えられます。
非上場株式には上場株のような市場価格がないため、収益・市場・資産の各側面から企業価値を多面的に検討する必要があります。公認会計士は、キャッシュフローの持続性や事業特性を踏まえ、DCF法・マルチプル法・純資産法などを用いて経済的根拠のある価格を導出。合理的な算定プロセスによって、評価の透明性を確保します。
税理士は、その算定結果を基に税務上の時価認定や譲渡所得の扱い、みなし配当の有無などを精査し、税務上の整合性を担保。税負担の偏りや後日の修正リスクを未然に防ぎます。こうして算出された価格は、売り手・買い手双方の納得を得やすく、金融機関や社内決裁の場でも十分な説得力を発揮します。
検討の初期段階から税理士に相談しておくことで、譲渡先や実施時期の判断、対価の内訳、引き渡し後の申告実務まで、一貫した税務方針を設計しやすくなります。
売却益課税の区分、復興特別所得税の扱い、損益通算の可否、取得費の立証、特定スキームにおけるみなし配当の発生可能性など、税額に影響する論点は多岐にわたります。税務の適正化は後からの修正が難しいため、案件化する前の段階で専門家に意見を求めておくことが有効です。
相続や贈与で取得した非上場株式は、評価方法や前提条件の違いによって納税額が大きく変わるため、財産構成や会社の実態を踏まえた慎重な評価・申告が求められます。
事業を引き継ぐ予定がある場合には、事業承継税制(法人版)の特例適用の可否を確認し、特例承継計画の提出期限や要件を早期に整えておくことが重要。評価と制度活用を一体的に設計したい方は、両方を総合的に扱える公認会計士や税理士への相談が有効です。
会社が譲渡承認を出さない、少数株主としての権利や買取価格をめぐって対立している、議決権や名義書換をめぐる紛争が発生しているといった状況では、法的な主張立証や仮処分・訴訟対応が必要になるため、弁護士への相談が適しています。
非上場会社の株式は多くが譲渡制限株であり、承認機関や手続の瑕疵、みなし承認の成否、買取義務の有無など、会社法の解釈が争点となるケースも少なくありません。まずは法的な方針を明確にし、そのうえで税務面の影響を税理士に確認するという役割分担を意識すると良いでしょう。
費用は、デューデリジェンスの範囲(財務・税務の深さ)や企業価値評価の有無、契約実務支援の内容、企業規模・スキームの複雑性、さらにはスケジュールの緊急度などによって幅があります。
依頼内容による違いが大きいため、複数の事務所に問い合わせて費用感を比較することが大切です。
非上場株式の売却には、税制の適用関係、みなし配当の有無、財務・税務デューデリジェンスの結果、契約条項の設計、企業価値評価の前提など、複数の専門領域が関わります。
公認会計士や税理士に相談すれば、税負担の適正化から実態に基づく価格算定、契約条項の精度向上、申告までを一貫してサポートしてもらうことができ、全体の整合性を保ちながら手続きを進められます。
株主が置かれている状況や抱えている悩みによって、適切な相談先は変わってくるので、相談先ごとの違いを把握しておきましょう。
以下のページでは、株主の置かれている状況・悩み別におすすめの相談先(事務所・会社)を紹介していますので、参考にしてください。
東海・首都圏を活動エリアとし、親族内承継とM&Aの双方をサポートするコンサルティングファームです。税理士法人を母体としており、月額顧問契約を通じた長期的な伴走支援と透明性の高い料金体系が特徴となっています。
| 情報提供顧問 | 月額22,000円~(税込)/社 |
|---|---|
| 相談顧問 | 月額22,000円~(税込)/社 |
| 事業承継顧問 | 月額165,000円~(税込) |
| 事業承継対策提案書 | スポット:1,100,000円~(税込) ※事業承継顧問先は無料 |
| 定款変更 | 全面改定(スポット):550,000円〜(税込) 全面改定(事業承継顧問先):330,000円〜(税込) 全面改定+種類株式、属人的株式の設定(スポット):1,100,000円~(税込) 全面改定+種類株式、属人的株式の設定(事業承継顧問先):550,000円~(税込) |
| 組織再編成 | 株式移転(スポット)2,750,000円~(税込) 株式移転(事業承継顧問先):2,200,000円~(税込) 株式交換(スポット)4,400,000円~(税込) 株式交換(事業承継顧問先):3,850,000円~(税込) 合併(スポット)4,950,000円~(税込) 合併(事業承継顧問先):4,400,000円~(税込) 分割(スポット)6,600,000円~(税込) 分割(事業承継顧問先):5,500,000円~(税込) |
髙野総合会計事務所は、公認会計士・税理士を中心とした専門家から成るチームによって行う株価算定・統合支援を強みとしており、税務・会計・FASの三位一体ワンストップ体制でM&Aのサポートを行う会計事務所です。
公式サイトに記載がありませんでした。
レガシィマネジメントグループは税理士法人であり、相続を専門としています。相続が発生した時だけではなく生前対策のひとつとしての事業承継・M&Aにも対応しており、非上場株式売却のサポートが可能です。
非上場株式売却支援に関する料金を確認できませんでした。
響き税理士法人は横浜駅直結の総合税理士法人であり、法人顧問だけでなくM&A、資金調達までの幅広いサポートを提供します。「Value Provider」を理念に掲げており、チーム体制で企業の成長ステージに合わせた付加価値を提供しています。
公式サイトにおいて、非上場株式の売却支援に関する料金表は公開されていませんでした。
みつきコンサルティングは税理士法人グループを母体とするM&A仲介会社であり、公認会計士・税理士が多数在籍しています。財務・税務の専門性を活かしたM&A支援を行っており、完全成功報酬制を採用しています。
| 着手金・中間金・月額報酬 | 0円 |
|---|---|
| 成功報酬 | 成約時のみ発生(完全成功報酬制) |
税理士法人CROSSROADは非上場株式の売却支援を行っており、会計・税務の専門知識と企業再編の実務経験を活かして総合的なサポートを提供する事務所です。会計・税務・株式価値評価・企業再編などの専門領域を一体で扱える点が強みであり、事業承継や持株整理にも柔軟に対応することができます。
公式サイトに記載がありませんでした(2025年9月調査時点)。
「相続専門オフィス」はOMI税理士法人が運営しており、非上場株式の株価評価サービス(税法基準)を中心に相続や売却に関する税務・評価支援を専門的に行っています。相続案件に強みを持っており、税務一体型の支援を提供します。
| 非上場株式の株価評価サービス | 基本報酬 小会社:150,000円~ 中会社:200,000円~ 大会社:300,000円~ |
|---|---|
| 加算報酬 | 土地評価:1利用区分につき5万円(倍率方式は1万円) 営業権:5万円 |
非上場株式の取引は、上場株と違い法的手続きや税務対応が複雑なため、専門家への相談が不可欠です。
ここでは、弁護士・税理士・M&A仲介会社の中から、目的別に信頼できる3つの相談先を厳選してご紹介します。
一部の株式買取業者は、無登録での営業や詐欺的な手法、非弁行為(弁護士でない者が弁護士の業務を行うこと)など違法性が問題視されており、大阪高等裁判所2024年7月12日判決では株式買取業者の行為が非弁行為にあたると判断された判例もあります。また、高額買取をうたって実際は買い叩くケースもあるため、一定のリスクがあることを理解したうえで相談することが重要です。
株式買取に詳しく、M&Aやファイナンス理論の知見があることが重要です。対応実績と交渉力を事前に確認しましょう。
資産税・自社株評価に強い税理士法人か確認。M&Aや法務に対応できる他士業と連携しているかどうかも大切です。
業種や規模に合った買い手ネットワークを持っているかを見極めましょう。成約するまでのスピードもポイントです。