名義書換

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名義書換の手続きを円滑に進めるためには全体の流れを理解することが大切です。

本記事では、名義書換が必要となる場面や具体的な手続きの流れ、注意点を解説します。

名義書換請求が
必要になる場合

非上場株式は、上場株のように証券会社を通じて自動的に名義が書き換えられる仕組みがありません。株式の所有者が変わった場合には、株式を発行している会社に対して直接「名義書換請求」を行うことが必要です。

主なケースとしては、株式の相続、法人の合併などが挙げられます。

相続により株式を承継した場合

会社の株主が死亡した場合や、遺言や遺産分割協議によって株式を引き継いだ場合、相続人は会社へ名義書換を請求する必要があります。株主名簿が変更されることで正式な株主として認められ、配当金の受領や議決権を持つことが可能です。

合併等により株式が
承継される場合

法人株主が吸収合併や会社分割により消滅した場合、承継会社による名義書換が必要です。非上場会社では自社で株主名簿を管理しているケースが多く、申請書類の不備や遅延があると承継が完了しないこともあります。

非上場株式を売却する際の
名義書換の流れ

非上場株式を売却する際の名義書換は、主に以下の流れで進みます。会社の定款によって手続きが異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

譲渡制限の確認と承認手続き

非上場株式の売却は、会社の定款で株式譲渡が制限されていないか確認することから始まります。制限がある場合、会社の承認がなければ譲渡は無効です。取締役会など所定の機関に対し譲渡承認請求を行い、正式な許可を書面で得なければなりません。

譲渡契約の締結

会社から株式譲渡の承認を得られたら、買主と株式譲渡契約書を取り交わしましょう。株式譲渡契約書は、譲渡する正確な株式数や1株あたりの価額、支払条件などを法的に確定させるものです。後の名義書換手続きで会社に提出する必要があります。

株券の交付
(株券発行会社の場合)

物理的な株券を交付することで、法的に株式譲渡の効力が発生します。会社の定款を確認し、株券を発行しているか事前に確認しましょう。

なお、2006年の会社法施行以降は、株券の発行は会社の任意となりました。株券を発行したい場合は、会社設立時に定款で「当会社は株券を発行する」と定める必要があります。

定款にその定めがなければ、自動的に株券不発行会社となるため、現在非上場会社を含む多くの会社は株券を発行していません。

株主名簿の書換申請

契約締結と株券交付(該当する場合)が完了したら、会社への名義書換申請に進みます。この手続きは、売主と買主が連名で行うのが原則です。会社所定の請求書を作成し、株式譲渡契約書の写しを準備しましょう。会社の承認通知書など、その他必要な書類もすべて揃えて提出します。

会社による株主名簿書換

会社側が、提出された書類一式に法的な不備がないかを最終確認します。後のトラブルを防ぐために欠かせない工程です。問題がないと判断された場合、株主名簿は買主の名義へ書き換えられ、法的に株主の交代が確定します。

名義書換で注意すべき
ポイント

会社の承認が必要

非上場株式の売却は、上場株式のように自由に取引できるわけではありません

多くの非上場株式は、経営権や議決権を保護する目的で、譲渡制限(株主構成をコントロールするための制度)を定めています。会社の承認を得ずに株式を売買しても、新しい株主として法的に認められません。

名義書換を拒否されたり、売買契約が後から無効になったりするリスクを防ぐために、まずは定款を確認し、会社の承認を得ることから始めましょう。

書類の不備に注意

非上場株式の名義書換では、書類の不備が手続きの停滞や不受理に直結します。特に会社指定外の書式利用、株主名簿と異なる氏名・住所の記載、売主・買主双方の押印漏れ、譲渡契約と会社承認内容の株式数の齟齬、などがよくある不備です。

事前に会社の指定書式を入手し、全書類間で内容に矛盾がないか複数人で入念に確認しましょう。

名義書換は株主が
変わる際に必要

非上場株式の名義書換は、売買や相続、合併などで株主が変わる際に必要な手続きです。定款で譲渡制限を設ける会社では承認が必須となり、株式の取得原因によっては、それを証明するための追加書類が求められる場合もあります。内容の不備や判断ミスは手続きの無効につながるため、状況に応じて専門家へ相談しましょう。

当メディアでは、会社とトラブルに発展しているなら「弁護士法人」、相続した非上場株式の評価や税金について知りたいなら「税理士法人」、非上場株式を100%保有しているが売却先が見つからない場合は「M&A仲介会社」といった状況に応じた相談先を紹介しています。相談先を選ぶ際の参考にご活用ください。

非上場株式売却で
よくある悩みと
主な相談先

非上場株式の取引は、上場株と違い法的手続きや税務対応が複雑なため、専門家への相談が不可欠です。
ここでは、弁護士・税理士・M&A仲介会社の中から、目的別に信頼できる3つの相談先を厳選してご紹介します。

株式買取業者は、詐欺行為や無登録営業による違法性が問題になっている

一部の株式買取業者は、無登録での営業や詐欺的な手法、非弁行為(弁護士でない者が弁護士の業務を行うこと)など違法性が問題視されており、大阪高等裁判所2024年7月12日判決では株式買取業者の行為が非弁行為にあたると判断された判例もあります。また、高額買取をうたって実際は買い叩くケースもあるため、一定のリスクがあることを理解したうえで相談することが重要です。

※参照元:大阪高裁令6.7.12判決(判例タイムズ1530号86頁) (https://www.hanta.co.jp/books/8743/)
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