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非上場株式の売却は自由に売買できず、手続きが複雑なうえにトラブルへ発展することも少なくありません。適正な価格や手続の正当性を確保するには、法律知識と交渉力を備えた弁護士の関与が有効です。本記事では、弁護士に相談することで得られるメリットや費用の目安、相談すべき典型的なケースについて解説します。

非上場株式の売却を弁護士に
相談するメリットとは?

非上場株式の売却では、会社の承認や価格交渉など、法的な判断を伴う局面が多くあります。相手との関係性が複雑な場合や、株式の評価・手続きに不安がある場合は、早い段階で弁護士に相談することで、リスクを最小限に抑えながら円滑な解決を図ることができます。ここでは、弁護士に相談することで得られる主なメリットを整理します。

売却交渉における法的リスクの
低減

非上場株式の売却では、譲渡制限や価格交渉の不一致など、法的なトラブルに発展するケースが少なくありません。交渉過程では、定款の内容や株主間契約の拘束力など、専門的な判断が求められます。弁護士が関与することで、契約書の確認や交渉への同席、条件提示時の法的整合性チェックが可能となり、後の紛争リスクを大幅に抑えられます。

適正な株価算定の支援

非上場株には市場での取引価格が存在しないため、会社の財務状況や将来収益をもとにした独自の株価算定(バリュエーション)が必要です。算定自体は公認会計士や税理士の専門分野ですが、弁護士は専門家との連携を通じて、法的観点から算定プロセスや契約内容の妥当性を確認します。評価額をめぐって意見が対立した場合も、法的根拠に基づく整理と対応で、交渉を優位に進められるでしょう。

税金対策や手続きのサポート

株式を売却して得た利益には課税が発生します。上場・非上場を問わず税率は同じですが、非上場株式では時価の判定や自己株式の買い取りによるみなし配当、親族間譲渡によるみなし贈与など、追加課税のリスクが伴います。弁護士に相談すれば、税理士と連携して税務対応の方向性を整理し、申告準備を滞りなく進めることが可能です。

※弁護士は税務申告の代行や株価算定(評価額の算出)の実務は行いません。必要に応じて税理士・公認会計士・M&A仲介と連携し、全体を法的に有効なスキームへ統括します。

弁護士に相談すべきケース

会社経営者が非上場株式の
売却を検討している場合

事業承継やM&Aの一環として、経営者自身が保有する株式の売却を検討するケースです。単なる株式の移転にとどまらず、経営権の移動や従業員の処遇、取引先との関係維持など、幅広い法的論点を踏まえる必要があります。会社の将来に影響する重要な判断であるため、弁護士の助言を得てリスクを整理しながら、慎重に進めていくことが望ましいでしょう。

株式の売却でトラブルが
発生した場合

「会社に株式の買い取りを請求したが、不当に安い金額を提示された」「親族に株式を譲渡しようとしたら、他の株主から反対された」といったトラブルは少なくありません。このような場面では感情的な対立が生じやすく、当事者同士での解決は困難です。

弁護士が代理人として交渉を担えば、冷静さを保ちながら法的根拠に基づいた話し合いが可能になります。仮に交渉が決裂し裁判に発展した場合も、そのまま一貫して対応を任せられる点で安心です。

非上場株式の売却を
弁護士に相談する費用

弁護士に非上場株式の売却を相談する際は、どの程度の費用がかかるのか気になる方も多いでしょう。依頼内容によって費用の構成や支払いタイミングが異なるため、事前に把握しておくことが大切です。ここでは、一般的な弁護士費用の目安と、費用を確認する際のポイントを解説します。

相談料

弁護士に正式依頼する前の段階として、まずは「法律相談」を利用できます。初回相談を無料で実施している事務所もあれば、「30分5,500円(税込)」といった時間制を採用しているところもあり、料金体系は事務所によってさまざまです。

相談料の差は、相談範囲の広さ(資料の確認や契約条項案の作成を含むか)、事前準備の有無、担当弁護士の経験などに起因します。無料相談は短時間で概要確認にとどまることが多いため、資料精査が必要なケースや会社と対立している状況、期限が迫っている場合には有料相談のほうが適しています。予約前に相談の適用条件や対応範囲、資料提出の有無を確認しておくと安心です。

着手金

弁護士に正式依頼する際には、最初に「着手金」を支払うのが一般的です。近年では「着手金無料」とし、実際にかかった時間に応じて費用を算出するタイムチャージ制を導入する事務所も増えています。また、依頼者の経済状況や案件の難易度に応じて金額を調整するなど、柔軟な対応を行うケースも見られます。

成功報酬

交渉や裁判が望む結果で終結した場合に支払う費用です。料金体系は事務所によって異なりますが、解決内容や得られた経済的利益の大きさに応じて報酬額が決まるのが一般的です。

成功報酬は、委任契約で定めた成功要件(最終契約の締結・クロージング・和解・判決など)を満たしたときに発生します。料率や計算基準(売却価格や経済的利益の割合)、税込・税抜の扱い、支払時期などは事務所ごとにルールが異なるため、契約前に明確にしておくことが重要です。

※M&A仲介の手数料(レーマン方式)とは別途発生する弁護士費用です。下記は各事務所の公開例で、相場を示すものではありません。最新条件は必ず各リンクでご確認ください。

売却方法により料率が変わるケース

売却価格により料率を分けて合算するケース

法的トラブルは
弁護士に相談を

弁護士は、非上場株式の売却に伴う法的リスク(譲渡制限の承認、契約交渉、紛争対応など)を軽減できる心強い相談先です。評価や税務の領域でも、公認会計士(株価算定)や税理士(申告・税務設計)と連携し、法的な整合性を保ちながら全体を統括・助言します。特に会社との対立や経営権の移動を伴う場合には、法的観点からの助言が不可欠です。

もっとも、抱えている課題の内容によって、適切な相談先は異なります。

  • 譲渡制限・反対株主・紛争などのトラブルを解決したい場合:弁護士法人
  • 相続した株式の評価や税金対策を知りたい場合:税理士法人
  • 買い手探索から株式譲渡・事業承継まで依頼したい場合:M&A仲介会社

以下のページでは、非上場株式売却の状況・悩み別に相談できる事務所や会社を紹介しています。相談先選びの材料としてご活用ください。

非上場株式売却で
よくある悩みと
主な相談先

非上場株式の取引は、上場株と違い法的手続きや税務対応が複雑なため、専門家への相談が不可欠です。
ここでは、弁護士・税理士・M&A仲介会社の中から、目的別に信頼できる3つの相談先を厳選してご紹介します。

株式買取業者は、詐欺行為や無登録営業による違法性が問題になっている

一部の株式買取業者は、無登録での営業や詐欺的な手法、非弁行為(弁護士でない者が弁護士の業務を行うこと)など違法性が問題視されており、大阪高等裁判所2024年7月12日判決では株式買取業者の行為が非弁行為にあたると判断された判例もあります。また、高額買取をうたって実際は買い叩くケースもあるため、一定のリスクがあることを理解したうえで相談することが重要です。

※参照元:大阪高裁令6.7.12判決(判例タイムズ1530号86頁) (https://www.hanta.co.jp/books/8743/)
少数株式を円満に
売却したいなら
弁護士事務所がおすすめ
例えばこんなケースに
  • 会社に株式買い取りを依頼したところ、安い買取価格を提示された
  • 相続した株式を手放したいが、トラブルになりそう
良い弁護士事務所の選び方

株式買取に詳しく、M&Aやファイナンス理論の知見があることが重要です。対応実績と交渉力を事前に確認しましょう。

株式売却に伴う
各種税金の算出なら
税理士事務所がおすすめ
例えばこんなケースに
  • 株式を譲渡するにあたり、税負担を最小限にしたい
  • 親から相続した非上場株式の評価や税金が心配
良い税理士事務所の選び方

資産税・自社株評価に強い税理士法人か確認。M&Aや法務に対応できる他士業と連携しているかどうかも大切です。

100%株式の
買い手探しなら
M&A仲介会社がおすすめ
例えばこんなケースに
  • 非上場株式を100%保有しているが、売却先が見つからない
  • 第三者に売却したいが買い手の目処が立たない
良いM&A仲介会社の選び方

業種や規模に合った買い手ネットワークを持っているかを見極めましょう。成約するまでのスピードもポイントです。

非上場株式売却の
お悩み別の相談先
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